« ミネカエデ・山のもみじは伽羅色 | トップページ | イヌホオズキ・ナスの仲間は仙斎茶 »

2019/01/11

ヌスビトハギ・ねずみ小僧は雀茶色

Nusubitohagi02

【学名】  Desmodium podocarpum DC.,  Desmodium racemosum DC.
【英名】  beggger’ lice (=ひっつきむし全般), Thunberg’s bush-clover
【別名】  ドロボウハギ, ツビッタカリ、ヤマシラミ
【生薬名】 山馬蝗(さんばこう)
【科】   マメ科

マメ科ヌスビトハギ属の多年草。中国、朝鮮、日本原産。日本各地の山野に生えています。
学名の(デスモディウム)は、ギリシャ語の「desmos(鎖(くさり))と「 eidos(構造)」が語源。実の途中がくびれて「鎖」状になっていることに由来します。確かに、とても個性的な優雅なデザインの実です。

実がセーターなどにくっついて運ばれる、いわゆる「ひっつき虫」系の植物の一つです。近似種が多区存在します。(その一つ 、アレチヌスビトハギは北米原産の外来種!)

抜き足差し足する泥棒の足跡に実の形が似ていることが名の由来。確かに鎖状に連なる独特の形の実の風情が、池波正太郎の鬼平犯科帳あたりに出てくる、江戸時代の盗人の地下足袋の足運びを連想させます。(私だけですかね・・・。)

英語名のbegger’s liceは、ひっつきむし系の草の実全般をさしますが、文字通り「乞食のシラミ」。もうちょっとかわゆいネーミングはなかったものかなぁ。

中国名(生薬名)では「山馬蝗(さんばこう)」といい、「中国では民間療法として、全草を発汗、感冒、咳、切傷、解毒、リウマチ、喀血に用いる」という記述も見当たります。

夏の終わりに、工房の庭に2018年、初めてお目見えしました。茶花にもなりそうなの可憐な小花。若い実は色も形の凛としたの美しさ。「シラミ」はやっぱ失礼でしょうよ。

煮出すとマメ科特有の甘い香りが漂います。全体に、そのほっこりした香りをそのまま移したような温かい色合いになりました。「盗みはすれど、犯さず殺さず、貧乏人からは盗らず」の掟を守る、人情味あふれる盗人さんの心粋が見えまする。アルミ媒染で柑子色(こうじいろ)鉄媒染で藍媚茶色(あいこびちゃいろ)。
そして銅媒染では、とても粋な雀茶色に。

花言葉は、「奪略愛」。 (※奪略は略奪の古い形)。「思案」「内気」

◎参考サイト / 文献◎
http://www.hana300.com/
http://had0.big.ous.ac.jp/index.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/ヌスビトハギ
http://www.amami.or.jp/kouiki/seibutsusigen/detail_plant/plant_detail_529.html
http://gkzplant2.ec-net.jp
・「季節の野草・山草図鑑」高村忠彦/監修  日本文芸社
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 3」 北隆館
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房

 (C) Tanaka Makiko    たなか牧子造形工房  禁転載

|

« ミネカエデ・山のもみじは伽羅色 | トップページ | イヌホオズキ・ナスの仲間は仙斎茶 »

鎌倉染色彩時記(染)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ミネカエデ・山のもみじは伽羅色 | トップページ | イヌホオズキ・ナスの仲間は仙斎茶 »