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2019年2月12日

2019/02/12

マツ・不滅の海松色(みるいろ)

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【学名】 Pinus palustris Mill.(ダイオウマツ)、
     Pinus densiflora(アカマツ)、
     Pinus thunbergii(クロマツ)
【英名】 Pine、 Japnese red pine(アカマツ),
     Japnese black pine (クロマツ),
     Longleaf pine(ダイオウマツ)
【別名】 トキミグサ(時見草)、トキワグサ(常磐草)
【生薬名】松脂(しょうし=マツヤニ)、海松子(かいしょうし=実)
【科】  マツ科

学名のPinus(パイナス)は、ケルト語の「pin(山)」が語源。
マツ属の樹木の総称。マツ属の天然分布は赤道直下のインドネシアから、北はロシアやカナダの北極圏に至り、ほぼ北半球に限られて分ぷしています。これは針葉樹としては最も広い範囲に当たります。
というのも、温度の適性が広く、亜熱帯や熱帯に分布する種でも−10℃程度の低温・組織の凍結には堪えて生存するといいます。そういうところはちょっと人間っぽいですね。強いっ!

日本には、二葉松類のアカマツ、クロマツ、リュウキュウマツ、五葉松類ではゴヨウマツ、ハイマツ、チョウセンゴヨウなどが分布します。

寒い冬にも耐え、常緑なので、"長寿の象徴"とされています。
神がその木に降りてくるのを「待つ」ことから「マツ」になったとも、葉が2つに分かれていることから「股(また)」が次第に「マツ」になったとも、久しく齢を保つことから「タモツ」が略転した、霜雪の季節を常緑で乗り切ることから「全く(またく)」とよばれ、これが訛った、など諸説。

通年常緑を保ち、樹齢が長いことから、日本では古くから「神の宿る木」とされ、様々な民俗行事や祝い事に用いられてきました。
お正月に年神を迎える門松もしかり。ちなみに、ブータンでは、客人を迎える際、家の門扉にマツを飾る風習があるんですよ。

古来、中国では「仙人が松葉を常食していた」と伝えられていて、山伏は松葉を食べて険しい山岳を旅したとされ、中国の漢方古書「本草綱目」では「毛髪を生じ、五臓を安んじ、中(胃のこと)を守り、天年を延べる(長寿のこと)」「強壮になり、歯を固め、耳目をよくす」という記述があります。

生薬としては、松脂(マツヤニ)が、古くから肩こり、筋肉痛、あかぎれなどに用いられてきました。
生のマツ葉を煎じてうがいをすると虫歯や口内炎治療の効果ありともいわれます。

マツの実、マツ葉は、低血圧症、冷え性、不眠症、食欲不振、去淡、膀胱炎、動脈硬化症、糖尿病、リューマチ、神経痛、健胃、疲労回復に効能。
マツの葉の有効成分は、
・葉緑素クロロフィル(増血作用、血液浄化、血液中の不飽和脂肪酸溶解)
・テルペン精油(ピネン、ジペンテン、リモネン含有成分・血中コレステロール除去し、ボケ、脳卒中、動 脈硬化を抑制)
・ビタミンA・C、ビタミンK、鉄分、酵素(血液の凝固、骨へのカルシウム沈着・老化を抑制し出血を防 ぐ)
・・・といいことづくめ。

松葉を焼酎につけて作る松葉酒、生葉をミキサーにかけて作るジュースなどにして服用します。
5月の新芽を干してお茶として服用するのも良いそうですよ。
いずれも、生薬として用いるときはアカマツが最適とされているそうです。ま、マツなら大体OKでしょう。

祝い事の際に用いられる絵柄に「松に鶴」が伝統的によくみられますが、実際には、ツルはマツにとまることができないんだそうですよ。
ツルと称されていたのは、実はコウノトリであったと思われます。
(こういう例は他にもあって、「梅にウグイス」も実際にはメジロです。)

江戸時代、2〜3日水につけてアクをとった葉を、干して刻んだものをタバコの代りにするのが流行ったという記述が和漢三才図会にありました。健康たばこ。愛煙家の方、いかがでしょう。

年末、近所の仲間と門松を手作りしました。竹は竹やぶから切り出したもの、そして松は友人宅で切らせてもらったダイオウマツの葉を使いました。松の内が終わったそのダイオウマツの葉を、煮出してみることに。

テレピンの良い香りが漂い、少し白濁とした薄い黄色の液となり、アルミで淡黄色、銅でうぐいす色、鉄でまさに濃いめの松葉色! そして海松色(みるいろ)など。

花言葉は、「不老長寿」「勇敢」「同情」「永遠の若さ」「向上心」「哀れみ」「慈悲 」。
1/1、 1/3、 1/19、 11/14、12/12、12/14の誕生花。春の季語。

◎参考サイト / 文献◎

http://ja.wikipedia.org/wiki/マツ
http://chills-lab.com/flower/ma-ta-02/
http://www.kobayashi.co.jp/
http://www.hana300.com/
http://www.e-yakusou.com/
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房
・「和漢三才図絵」寺島良安 / 著 第82巻
・「薬草図鑑」伊沢凡人・会田民雄/著 家の光協会
・「よくわかる樹木大図鑑」平野隆久/著 永岡書店

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