« 玉楠(タブノキ)・ハマとペリーと路考茶色 | トップページ | バタフライピー・瑠璃色の恋 »

2019/12/23

コスモス・突き抜けて黄海松茶色

  Cosmos    写真

【学名】  Cosmos Cav., Cosmos Cav.
【英名】  Cosmos 
【別名】  アキザクラ、オオハルシャギク
【科】   キク科 

メキシコ原産。ヨーロッパには18世紀後半にスペインを経由して広まったといわれています。
メキシコでは標高1600m以上の地域に自生するそうです。

明治12年に東京美術学校(東京芸大)の講師として赴任したラグーザが、イタリアから種を持ち込んだのが日本に渡来した最初とされますが、幕末説、明治29年説なども。
いずれにしても明治終わりには、日本全国で広まっていたと考えられます。

学名の属名cosmosはギリシャ語で「秩序」「調和」「美」「装飾」などの意味があります。調和のとれた花の様子が命名の背景なのでしょう。「宇宙」の語源となったのも、このあたりの意味からか。いや、宇宙のほうが先ですね。

日が短くなると花芽をつける短日植物なので、かつては夏にタネをまき、秋に花を楽しむものでした。
しかし、近年は、それほど日の長さに影響されずに開花する早生品種が主流になり、春にタネをまいて夏から開花を楽しむケースが増えているそうです。
ただし、秋にならないと開花しない晩生品種を早い時期にタネまきすると、開花する秋までに草丈が高くなりすぎるので、8月に入ってからまきましょう(NHK趣味の園芸先生談)。

花が食用になることは、あまり知られていない模様。食用菊のように生でサラダに散らすほか、ゆでた花びらを絞ってゼリーをつくる、スピリット系の酒に混ぜてカクテルにする、ジャムにする、などの記述が見つかります。これは楽しそうです!

多くの歌人、俳人が好んで題材としています。歌謡曲にも名曲がありますね。

コスモスや風に吹かれた明らかに  (高浜虚子)

コスモスの夜の花びら冷えわたり  (中村汀女)

心中をせんとなけるや雨の日に白きコスモス紅きコスモス                     
                                                         (与謝野晶子)   

筋金入り登山ガールの教室の生徒さんが、わざわざ白山近辺にたくさん咲いていたという、コスモスを、秋口に届けてくださいました。
残念ながら、少し日が経って、傷み始めてしまったのですが、それでもアルミで黄朽葉色 (きくちばいろ)、銅で青朽葉 (あおくちば)、鉄で黄海松茶 (きみるちゃ)

俳諧では秋の季語。                 
花言葉は、「調和」「乙女の純真」(全般)。
「優美」「美麗」(白)。「乙女の愛情」(赤)。「乙女の純潔」(ピンク)。
「野生の美しさ 」(黄)。 ※キバナコスモスは別種「恋の終わり」(茶)。
9/27の誕生花。

<<特別付録・関東エリアのコスモスの名所>>
鬼怒グリーンパーク   【栃木県】
吹上コスモス畑   【埼玉県】
あけぼの山農業公園 【千葉県】
昭和記念公園    【東京都】
くりはま花の国  【神奈川県】
山中湖 花の都公園   【山梨県】

◎参考サイト /文献

http://www.e-yakusou.com/
http://ja.wikipedia.org/wiki/コスモス
https://lovegreen.net
https://www.jalan.net
https://www.shuminoengei.jp
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房
・「食べられる野生植物大図鑑」 橋本郁三 / 著 柏書房

 (C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房  禁転載

 

| |

« 玉楠(タブノキ)・ハマとペリーと路考茶色 | トップページ | バタフライピー・瑠璃色の恋 »

鎌倉染色彩時記(染)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 玉楠(タブノキ)・ハマとペリーと路考茶色 | トップページ | バタフライピー・瑠璃色の恋 »