バタフライピー・瑠璃色の恋
【学名】 Clitoria ternatea L.
【和名】 チョウマメ(蝶豆)
【別名】 藍胡蝶(中国)、アンチャン(タイ)
【科】 マメ科
昨年のカジュ祭。フードコートに出店をお願いした、鎌倉クルアノックのユキコさんは、例年通り、タイを中心にした様々なアジアごはんを独特のアレンジでたくさん出してくださいました。その中に、ひときわ目を引く瑠璃色の飲み物が!
「バタフライピーというお豆の、花びらのお茶なんですよ。東南アジアでは日常的に飲まれているんです。」
そ、染めてみたい・・・・っ!
そんな気持ちを見抜かれてか(笑)、ユキコさん、貴重な花びらのお茶を少し分けてくださいました。(感謝!! (T T)//)
南アジア原産。原産地では多年草ですが、日本では、冬の寒さで枯れてしまうため、一年草として扱います。
日本には、江戸時代・嘉永年間に入ってきたと言われていますが、和漢三才図会には記述は見つかりませんでした。
花には、青色色素「デルフィニディン」が含まれており、搾り汁を、菓子などの染料として使用したり、お茶にして飲んだり、さらには、黒髪の艶出し、白髪染めに使用したりすることで知られています。
搾り汁にライムやレモンをいれると紫色やピンク色などに変化します(!)。
根は、少し毒性を含むので注意。
現在は、日本でも園芸品種として人気があるほか、竹富島ではハーブとして栽培も行われています。
花の部分は、ブルベリー、ビルベリーなどと同じ抗酸化物質ポリフェノールの一種「アントシアニン」が多く含まれ、抗酸化作用による美容茶として、台湾などでは、女性に特に人気があります。
そのほか、血行促進し、冷え、眼精疲労の改善、血液中の血栓の解消、身体のむくみを取り除く効果なども期待できます。
ユキコさんにいただいた乾燥したお花。青や赤の染料には、熱を加えると色素が壊れてしまうものも多いのですが、「お茶にするときはガンガン煮出していますよ。」とユキコさんが言っていたので、通常の手順で煮出してみました。
20分も煮出すと、たいへん深い、それでいて、透明感のある青い液を得ました。まるで、正倉院に収められているペルシャ硝子の瑠璃色杯のようです。
どの媒染でもその透明感は維持しましたが、ウールや木綿には残念ながら青は染まりませんでした。(利休鼠、麹塵、山鳩色など)
が、絹にはその青の片鱗を留めることができました。
アルミ媒染がやや紫がかった藤鼠、どう媒染で桔梗鼠、鉄媒染で霞色。
花言葉は「小さな恋」。
・http://ja.wikipedia.org/wiki/チョウマメ
・https://www.taiwanchakobo.jp/
・https://harb-tea.com/what-is-butterfly-pea/
・https://comedicplus.com/
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 3」 北隆館
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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