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2021/05/13

2021/05/13

お宝持ち講座「自己流バンザイ」

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みなさん、こんにちは。
お宝持ちになる講座、第4回です。

本日は5つの準備体操の2つ目「自己流バンザイ」について。

これについては、常々、じっくり語りたいと思っておりました。
言いたいこと、いっぱいあるのダ。

「習い事」。この言葉がまずいけない。

ならう=倣う=真似をする。
これが、何かを身に着けようと立ち上がった人に、もれなく突きつけられる日本の現実。

師匠と呼ばれる人の家の門をたたき、先生のお手本に、少しでも近づけるよう日々精進する。真似が上手ければ上手いほど褒められる。ついに真似を極めると、免許なんかがもらえちゃう。
そうやって修めたものは「正道」。そしてそのほかは全部「邪道」。

どーよ、これ。

いえいえ、けっしてお茶やお花の先生を否定する気はないんですよ。伝統の決まりごとって、奥が深くて、真心が潜んでいて、本当に興味深い。先生にもいろいろいらっしゃって、カジュでお茶会してくださったNR先生なんか、懐深くて楽しくて、めっちゃ好きですよ。

でも、勉強の方法って、もっと自由でいいんじゃないかと思うんです。
「このように学ばなければならない」みたいな刷り込みをされるのが、私は子どもの頃からほんっっとうに苦痛でした。でも、「褒められるいい子」になることが至上命令みたいな空気の中で大きくなってきましたから、(あ、私より上の世代の方、同じ体験してますね?)「正道」を歩まねばならぬ、と信じて疑わなかった。バカだった。
創作を生業にするようになって、その軛(くびき)から自分を解放するのに、ものすごく大変な思いをしました。

卵焼きの作り方にさえ、この国には「正しいやり方」というものが存在するらしい。
だめなの? 卵焼き器、手前から巻いてっちゃ?

中学校の国語の成績はよかったけど、試験、大キライだった。長文読解の、
「線を引いた文から感じられる、主人公の気持ちを述べよ」
名作と言われる小説。その多くで、登場人物は、作者の思い通りにならないものらしい。書いた作者にさえ掴みきれないキャラクターの心情に、先生が決めた「正解」があるわけ? 読み手によっていろいろ、じゃだめなの? 同じ本でも、年取ってからもう一度読んだら、違うものが見えてくることだったあるじゃん! 先生が考えた正解以外を書くとペケになる。つまり、「あなたの感じ方は間違っている」ってこと? ほっといてほしい。

とっても素敵な編み物。
「うわぁ、ステキー! 売ったらいいのに!」と私がワクワクして褒めると、よくこんな答えが返ってくる。

「えー、でも自己流だしぃ」(めっちゃ、いいよ、これ)
「習ったわけじゃないからぁ」(だから、めっちゃ、いいってば!)
「私、主婦だしぃ」(意味わかんない!)

奥ゆかしいにもほどがある。

そんなに自分の考えは人の考えより劣っていると、本気で思っているのでしょうか。
素材と向き合い、あ~するのがいいかな、こ~するのがいいかな、と試行錯誤してたどり着いたあなたのその方法は、お宝中のお宝です。

技術を習得するためにまずは模倣から、というはわかります。私も本に載ってたこの方法、あの人に教わったあの方法、と、しょっちゅう試させてもらってます。楽しいです。
でも、それは、最終的に自分だけの流儀にたどり着くための修練。
それぞれの自己流が、あっちでもこっちでも花開く、それが文化の爛熟というものダ。

そして、自己流を大事にすることは、人と比べなくなる、ということ。
これはほんとに幸せなことです。お宝持ちです。不幸の大半は他人との比較から訪れるんですよ。

先ごろ107歳で亡くなった美術造形家・篠田桃紅さん。はじめは書道から出発し、しばらくしてその枠組が窮屈になって独自の世界を作り上げました。その時の、古巣の書道団体の、篠田さんに対する迫害はすごかったそうです。「根無し草」と公式の場で揶揄されたとか。自分たちが正道で、篠田さんは邪道だと。いいじゃん、放っておいてあげれば。
私は、たどり着いた篠田さんの「自己流」が大好きです。

マイケル・ジャクソンは、一度もダンスを習ったことがないそうですよ。ムーンウォークはマイコーの究極の自己流。その自己流に、今でも世界が魅せられている。

本日のまとめ。
「こうでなければいけない」とか「これは正道だ」とか「邪道だ」とか、はい、全部明日、もえるゴミに出しましょう。
とりあえず、やってみましょうや。人の意見も聞きつつ、自分だけのやり方を大事にして。人と比べるのは、今日でおしまい。

明日からは、3回に分けて「流れを作る」についてお届けします。


<<本日の参考書>>

一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い  
 篠田桃紅 / 著 (図書館にもありましたよ)

・2021年3月4日 東京新聞 篠田桃紅さんの追悼記事
 ↓
「子供の頃から、習字で手本をまねることに、違和感があったという。『だって偽物を作るっていうことでしょう。それがうまいとお点が良くなるって、変じゃない』あらゆる『決まりごと』にとらわれず、自身の美を追求した。」


<<写真>>
工房のある古民家の玄関には、桃屋さんからいただいたザーサイの壺がありまして、イベントのときは私がお花をいけてます。ピアノ発表会のステージも私が担当。「いらっしゃい!!」「おめでとう!!」の気持ちを込めているつもりなんですけど、伝わってますかね。あ、私、お花、一度も習ったことありません。

 

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