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2021/07/17

ゲットウ・香しき櫨色(はじいろ)

 

Getto01 Getto03
(写真出典   )


【学名】  Alpinia zerumbet (Pers.) B.L.Burtt and R.M.Smith,
      Alpinia speciosa K. Schum
【英名】  Chinese Fan Palm, Chinese Fountain Palm
【別名】  オオクマタケラン, サニン(砂仁)
【生薬名】 白手伊豆縮砂(しろていずしゅくしゃ)
      大草ずく(だいそうずく)=種子
【科】   ショウガ科

 

学名(シノニム)のspeciosaは「美しい、華やかな」の意。
和名は漢名の「月桃」をそのまま音読みしたもの。
インド原産。

九州南丹から、沖縄、、インドにまで分布する常緑多年草です。
このような温かい土地では、葉の鞘部を乾燥させて、マット、ロープ、
行李、草履表や漁網などをつくるために栽培され、それが一部で自生化しています。
葉を屋根葺きや壁に利用することもあるそうです。

葉はポリフェノールを多く含み、ノンカフェインなので、乾燥させたものを煎じてお茶にすると、美しい赤い煎じ液となり、良い香りと癖のない味で楽しめます。 
血液サラサラ、美肌に効果あり!また、葉には抗菌作用があるため、この辺が竹の皮を用いたように、食べ物を包むのに使われることもあったそうです。
現在でも沖縄では、伝統的な家庭で作るお菓子であるムーチー(餅)を包む葉と使用されています。

Getto02(写真出典)

全草が紙を作るときの補助原料にもなるというから、有用なことこの上なし。

秋に熟した果実から黒い種子を採り、日干しにして乾燥したものを生薬名で、白手伊豆縮砂(しろていずしゅくしゃ)、大草ずく(だいそうずく)と呼び、健胃薬として、1日量2~3グラムを粉末にして服用するとよいそうですよ。

沖縄地方では、民間療法として、毒虫に刺されたときには、根茎を切り火にあぶってから、患部に直接すり込むといいます。

葉からとれる油は、華やかな香りのアロマオイル。不安、緊張、迷いを解き放ち、集中力を高め、血圧を下げる効果があるとされ、虫よけ効果もあります。

亜熱帯でしか育たないのかと思いきや、逗子にお住まいの生徒さんのお庭で「わさわさ茂っていますよ」というので、分けていただきました。乾燥させてお茶にしたりしていたのですが、先日、友人の所有する美しいガラスの蒸留器を使って、蒸留するという幸運を得まして、いい香りのハーバルウォーターをつくりました!!

 Gettou05

染液は美しい茶味の赤。アルミ、すずで伽羅色(きゃらいろ)から櫨色 (はじいろ)、銅で枇杷茶色、鉄で海松色(みるいろ)

花言葉は「爽やかな愛」。7月5日の誕生花。


◎参考サイト / 書籍

https://www.weblio.jp/content/ゲットウ
http://www.e-yakusou.com
http://www.hana300.com/
http://botanic.seesaa.net/
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 3」 北隆館
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房

 

 

 

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