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2021/07/14

お宝もち講座「時間のトリセツ」vol.1

Bhutan_mandara


みなさん、こんにちは。ご無沙汰しておりました。
「お宝もちになる講座」の時間です。

第二部、前回までは「無駄なお金の使い方」についてお話しました。
で、次は「楽しくどう稼ぐか」という話に・・・と思っていたのですが、それをお話するにはまず、時間の使い方を見直す必要があると思い至りましたので、今日からは先に「時間」について、数回に分けてお話することにいたします。

私は正真正銘のモノ作りでして、つまり、デザインだけして制作は外注とか、コピーを大量につくってさばく、みたいなことは全然してません。本とか、動画とかは、今後大いに作って遠くに飛ばしてみたいとは思っていますが、基本、「織」「編」「縫」といった糸へんの仕事に毎日勤しんでおります。

「そんなんで、食ってけんの?!」・・・そうですよね、こんなにスピーディーな時代にちまちま手仕事なんて。

って、思うでしょ?
私も思ってました。でも、今でもさっぱりわからないけれど、この方法で25年生きているのですよ。子どももひとり育てちゃった。なによりも、そこには周囲の人の「助け」があったわけで、そのことには毎日手を合わせて感謝しています。

それプラス、みなさんにお伝えしたいのは、

「手仕事は効率が悪い」というのは間違いということ。

よく、エジプトのクフ王のピラミッドを特集したTV番組などで「一体、どうやってこれほどの巨石を積み上げたのだろうか!」みたいなコメントが入りますね。電動工具もクレーン車などの重機もないのに、と。

これ、もしかしたら、古代エジプトの人にすごーく失礼かも、とよく思うんです。

われわれ現代人は、便利な道具を発明するところは「アッタマいー」なんですけど、その便利な道具に使われているうちに、そもそも備わっていた身体的能力を退化させてきたわけですよ。「生まれつきの不器用はいない」の項でも書きましたが、人間は場数を踏んだことについては、身一つで、相当に高度な仕事を効率良くこなすことができます。

数年前、鎌倉路地フェスタの活動を通して、民族映像研究所(民映研)の「奥会津の木地師」という映画を紹介するという幸運に恵まれました。

民映研は、失われようとする日本の古い風習を映像で残す仕事をする団体です。そこが、奥会津に存在した「サンガ」と呼ばれる山の民の、会津塗のための椀木地づくりの生活を収めたフィルムを制作しました。観て、のけぞってしまった。

まずは斧や鉈(なた)だけを携えてブナ林の山に入り、森にあるものを利用してサクサクと4日で仕事小屋を建てる。インフラを整えて、神を祀ってから、フイゴを設置し、森で荒切りされた人頭大のブナの塊から2,3人でみるみる椀木地を削り出す・・・!

すべて手作業。電気はないので、仕事はお天道さんのある時間だけ。なのに・・・ナレーターの解説に耳を疑いました。

一日240個の椀を削り出すという」

・・・って、ちょっと待ち給えよ。一日8時間働いたとして、1時間に30個の計算じゃん!!

どんだけ熟練?!  恥ずかしい、自分が恥ずかしいっ。

はい、これが今日の1つ目のポイントです。

機械便利神話から脱却しましょう。

「あ、これがあると便利便利」と身の回りを便利グッズで埋め尽くすような生活は、結局のところ、大きな時間のロスを招いているのです。それよりも、自分の手の能力をアップすることを考えてみましょう。どうするのかって? 手、使いまくるんですよ!

こまごまと、目の前にあることを、その時できる分だけでいいので、手を動かして片付ける、整える、仕込む。
これが、びっくりするほど日常を効率化するのです。騙されたと思って、ちょっとやってみてくださいませ。続けていると、だんだん能力が開花します。

で、それに慣れてくると、あることが見えてきます。それは・・・

時間は伸縮するものである。

ということ。

ほら、楽しい時間は短くて、辛い時間は長い、みたいなことってありますよね。あれは、感覚的なだけでなく実際そうなんです。
かのアインシュタインさんが相対性理論で言ってますから、ほんとでしょう。

つまり、時間というものを扱うときは、あまり固定観念を持ち出さず、ふんわり掴んで、パンをこねるように自在に伸ばしたり丸めたりする感覚をもって、ここ重要、「大事に」扱います。

なんか抽象的すぎてわかりにくいですかね。

ちょっと周りを見てください。あなたの周りで仕事のできる人って、あんまり「忙しそうにしていない」のでは? 忙しい忙しいと言ってる人より、趣味も生活スタイルも充実してたりしません?

そういう人は、時間の扱いが「ふんわり、こまごま」なんですよ。そういう人の会話をよく聞いてみましょう。「あ、ついでだから」ってよく言ってませんか?

そう、この「ついで」が時間を大事にするカギなのです。思い出してください、ハキリアリのプロトコルを。

私は、これについてはかなり研鑽を積んだと自負していたのだけれど、会津の木地師さんたち見て、「出直しだ・・・」と思いました。
日々、精進。

つまり、古代エジプトの人は、現代の私たちよりずっと、日々の時間の扱いに秀でていたということです。コツコツ手作業でも、いや、手作業のほうが、余計な経費をかけずに、環境を汚染せずに、あんなすごいピラミッドなんかをつくるにはよかったのかもしれません。

大掛かりな大量生産による右肩上がりの社会は破綻しています。ポストコロナ時代は、時間を自由自在に操れる「手」の時代にしたいです。

今日のまとめ。

・訓練された手を用いれば、手仕事は効率がよい 
・時間は生き物のように大事に扱う

次回からは具体的な時間節約の例をご紹介していきます。



<<ブログの写真>>

34年前、ブータン王国を訪れたときに出会った須弥山の曼荼羅。
このデザインはおそらくブータン独自のものと思われます。

相対性理論で説明された伸縮する時間の概念やその他の宇宙の法則が、余すところなく表されていると直感的に思いました。
物理記号という言語で今でも論争を繰り広げている量子力学や相対性理論の世界ですが、この「曼荼羅」という言語こそ、すべての要素を矛盾なく表現しきっている気がします・・・どうして?って訊かないでね。説明はできないんで。

◎本日の参考書

一般社団法人 民族文化映像研究所(民映研)
 作品No.05 「奥会津の木地師」

「相対性理論」を楽しむ本  PHP文庫  佐藤勝彦 / 監修

 

 

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