アカメガシワ・万葉の黒紅色
【学名】 Mallotus japonicus (Thunb.) Müll.Arg.
【英名】 Japanese Mallotus
【別名】 ゴサイバ、アカメノキ,ヒサギ
【生薬名】 野梧桐(やごとう)、梓(じん)
【科】 トウダイグサ科
秋田県から沖縄、朝鮮、台湾、中国に分布。
別名のゴサイバは、この葉の上にごはんを盛つけたことに由来するそうです。
梅雨時あたりから、植えた覚えもないのに、植えてもらったかのようなデカイ態度でニョキニョキとあちこちに顔を出し、トウダイグサ科であるということは「草」のはずなのに、夏になると、りっぱな「木」に成長するという、天上天下唯我独尊、自己肯定感ばっちりのマイペースなお方。
文献を繙きますと、なんと日本を代表する植物染料の一つで、万葉のころから染色に使用されていたことがわかりました。
10月から11月にかけてよく茂った葉を収穫し、太陽に干して保存します。しっかり乾燥しておくと1年中いつでも使える染料になるそうですよ。
古くからいろいろな植物と併用し、味わいのある黒やグレーを染めていたらしいです。
また、漢方薬としても重宝されていました。
夏に葉または樹皮を採取して、日干しにします。樹皮は6月~7月に採取し日干しにして乾燥。(冬季の採取は、アレルギー症状を起こすことがありますので注意が必要です。そこは何と言っても毒草であるトウダイグサ科なのね)
消炎鎮痛薬として、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃酸過多、胆石症、はれものなどに用います。民間では樹皮よりも赤い新葉と新芽、赤い葉柄の干したものを煎服したほうが、胃がんや胃潰瘍に効き目があるとされそうです。アカメガシワの葉100グラムにアケビの葉または、つる20グラム、スイカズラの葉20グラムを煎服すると、はれものや「よう」にはとくに効果があるとされています。
動物実験でも胆汁分泌促進、かいようの予防に効果が認められたといいますから、効果は大いに期待できそう。私の胃痛にも効くかなぁ。
葉、茎、樹皮を浴剤として使用すれば、あせもや皮膚病、リューマチ、神経痛に効果。
和漢三才図会には、「材は潤うときはもろく、乾燥すると固くなる。良材。碁盤、すごろく盤をつくるとよい。」などの記述が見当たります。
実生で生えだして若いアカメガシワの枝(茎)と葉を煮出してみました。アルミで黄色各種。銅でうぐいす色から抹茶色。古代から染められていたという黒は鉄媒染で。紫がかった深い黒。古代色で言うところの黒紅色がひときわ美しいです。
花言葉は「忠実」「澄んだ心」「繊細」。
◎参考サイト / 文献
・http://blog.goo.ne.jp/frauyamada
・https://ja.wikipedia.org/wiki/アカメガシワ
・http://www.kigusuri.com/kampo/terada/
・http://www.hana300.com
・http://blogs.yahoo.co.jp/cobaltgreen2000/12312772.html
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 2」 北隆館
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房
・「色の手帖」小学館
・「よくわかる樹木大図鑑」平野隆久/著 永岡書店
・「薬草図鑑」伊沢凡人・会田民雄/著 家の光協会
・「草木染め 染料植物図鑑」 山崎青樹/ 著 美術出版社
・「和漢三才図絵」寺島良安 / 著
・「和漢薬」赤松 金芳 / 著医歯薬出版株式会社
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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