オヒシバ・キングオブ雑草の鶯茶
【学名】 Eleusine indica (L.) Gaertn
【英名】 goose-grass, wire-grass,yard-grass
【別名】 チカラグサ
【科】 イネ科
本州以南の全国に分布。日当たりの良いところであれば、どこにでも容易に育ちます。
世界の温帯から熱帯にかけて広く分布する、キングオブ雑草。
メヒシバ(Digitaria ciliaris)に対して、より強い性質、硬く荒々しい見た目でこう呼ばれるそうです。
ひげ根が深く張るため、簡単には抜けません、抜けません、抜けませんっ!
写真でもわかる通り、塊が点在するように広がってゆく「株だち型」。
踏みつけにも強く、茎は根元で立ち上がり、踏みつけられてもすぐに復活します。
これが別名「チカラグサ」の由来ですが、「チカラシバ」とは別です。
メヒシバもなかなかで、別名はその名もジシバリ(地縛り)。確かに見た目はおヒシバに比べて柔らかい印象ですが、こちらも侮れない。
コロナ禍ですっかりくじかれている私たち・・・。鎌倉でも夏になると雄々しく茂るこちら様を見るにつけ、「嗚呼、かくありたし」と思うこのごろです。見倣って、したたかに参りましょう!
一般的には、代表的に夏の「強害草」という扱いですが、そういうくくりに入れられている植物は染料としては優秀である場合が多いのダ。
みごとその雑草根性を反映して、どの媒染でも力強い発色。
アルミで芥子(からし)色、銅で鶯茶(うぐいすちゃ)、鉄で黒緑。
花言葉は「雑草のように生きる」「忍耐」「秘密の恋」。
ちなみにメヒシバの花言葉「情緒不安定」とは、これいかに。
◎参考サイト / 文献
・http://ja.wikipedia.org/wiki/オヒシバ
・https://www.picturethisai.com
・http://www.hana300.com
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房
・「季節の野草・山草図鑑」高村忠彦/監修 日本文芸社
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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