キウイ・やるな、サル桃! な柿茶
【学名】 Actinidia chinensis Actinidia arguta(サルナシ)他 変種多数
【別名】 オニサルナシ、シナサルナシ、サルモモ
【生薬名】 獼猴桃(びこうとう)
【科】 マタタビ科
学名のActinidia(アクティニディア)は、マタタビ属を示し、ギリシャ語の「aktis(放射線)」が語源。
雌花の柱頭(雌しべの先端の花粉を受ける部分)が放射状に並ぶさまから。(図を参照) 雌雄異株。
(← 写真/イラスト出典はこちら)
日本で流通するものの90%がニュージーランド産で、「キウイ」の名も、同国の国鳥に姿が似ていることに由来していることは周知ですね。
だから私は原産地もNZなのだと勝手に思っていて、昨今、日本でも本格的に生産に乗り出してきている様を横目に見ながら「すごいよね、日本の農家は。NZのものはNZに任せておけばいいのに、作っちゃうんだからなぁ」なんてこれまた勝手に感心したりしておりました。
ところが調べてみれば、原産はなんと中国。
しかも、現在、生産量の世界1位はイタリアで、2位が中国。ニュージーランドは3位なんだそうですよ。
江戸時代の百科事典「和漢三才図会」にも「サルモモ」の名で記載されていました!
「山谷に自する。高さ2,3丈(3〜9m)。枝は柔らかで多くは木に付いて生育する。葉はまるく、毛がある。身の形は梨のようで色は桃のようである。わかいのは極めて酸っぱく、10月に爛熟して、色が淡緑になると味は甘美で、食べるとよい。木皮は紙に作ることができる」
とあり、古くから日本にも自生していたことが伺えます。紙も作れるんだ!
今のNZのものは、もともとあった中国のActinidia chinensisから様々に品種改良を繰り返したものが定着しているようです。
知らなかった・・・鎌倉でもちらほらとキウイ棚を見かけますが、日本で育てるの、実は向いていたんですね。
10月ころ、果実が7分程度熟したころに採取して、5ミリくらいの輪切りにして、天日で乾燥させたものを生薬で、獼猴桃(びこうとう・か、書けんよ、この漢字!)といいます。
風邪、扁桃腺(へんとうせん)などの高熱、糖尿病、黄疸(おうだん)、むくみに効能。また利尿や熱を下げて口の渇きを止める作用も。
剪定したツル状の枝をいただきましたので煮出してみました。
染液はほんのりと桃色になって、アルミで赤香(あかこう)、銅で柿茶や柿渋色、鉄で煤色(すすいろ)となりました。
量が多ければ、より赤みの強い色も染まると思います。
花言葉は「ひょうきん」「生命力」「豊富」。
◎参考サイト / 文献
・http://ja.wikipedia.org/wiki/キウイフルーツ
・https://greensnap.jp
・http://www.e-yakusou.com/
・https://www.hana300.com
・「和漢三才図絵」第90巻 寺島良安 / 著
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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