「羊」からみえるもの
30日の火曜日。
久々に工房をでて、遠出しました。
行き先は埼玉県川口市。
昨年度の紡ぎクラスの生徒さんA.Mさんのご親戚のお家のとなりに、食用の小さな羊牧場があって、「毛刈りをしたから、いるなら(羊毛を)あげるよ」とのことで、出かけて行ったのです。
牧場というほどの大きさではなく、こじんまりと羊とヤギが飼われていました。
オーナーのお話によると、イスラム文化圏の人が、こぞってお肉を買いに来るのだそうです。
しらべてみたところ、90年代から、川口市とお隣の蕨市にはたくさんのクルド人が流入、定住しているのだそうです。蕨市にいるクルド人は「ワラビスタン」と呼ばれているとか。
中小の工場が多い川口市では、貴重な労働力なのだそうです。
ラマダーン(イスラムの断食月)が終わると、振る舞いの宴をする習慣があるため、「かなり遠くからも買いに来るよ」とのこと。
毛刈りされたばかりでスッキリしたコリデール(左)とサフォーク(右)
日本で飼育されている羊はほとんどがこの2種類です。そもそも高温多湿の日本は羊の飼育には向きません。この2種類だけがなんとか日本でもやっていけるというわけです。
その点、ヤギは昔から日本人のお友達。ここにもたくさんのヤギがいま した。
そういえば、ヤギの毛刈りって聞かないなぁ。伸びないのかな。
なんと、クルドの方々、羊よりヤギ肉を重宝がるのだそうですよ。
今年刈られた毛は、別にとっておいていただいたので、きれいでしたが、昨年のものは「まさか欲しい人がいるとは思わないからさ、畑に撒くつもりで、放ってあるよ」というではありませんか。
おお、ほんとだ、畑の隅で雨ざらし・・・。すでに大部分はバクテリアにやられて黄変し、分解されています。
そのなかから、使えるところを探し出して、げーっと!
現在、ウールを含め、全ての糸の値段が高騰し、手仕事の現場も大打撃を受けているのですが、一方で、こうして使える素材が「不燃ゴミ」として捨てられているのです。
本当に残念でなりません。
明日から、洗毛作業に入り、染色して、糸に紡ぐ、フェルトを作る、などに活用していきたいと思います。
この日のお昼ご飯は街で見つけたトルコ料理の大衆食堂でチキンケバブの定食。ボリューム満点! 味も絶品!
お店はクルド人のお客さんばかりでした。
日本もいろいろ。
羊をめぐる、たのしい旅でした。
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