ハキダメギク・鶴の輝きの黒緑
【学名】
・Galinsoga quadriradiata
・Galinsoga parviflora Cav.
・Galinsoga ciliata
【英名】
・Shaggy Soldier
・Hairy Galinsoga
・Peruvian Daisy
【科】 キク科
熱帯アメリカ原産の1年草の帰化植物。
6~11月の間、小さい白い頭花を長く咲かせつづけます。
明治時代初期に渡来したと言われ、現在では関東地方以西の日本中の住宅地や道端、野原や山などに広く自生しています。
草丈は10cm〜50cmほどで横に這うように成長し、繁殖力が強いゆえ「道端外来浸食種」とも呼ばれ、厄介な雑草扱いされることも。
強い帰化植物は、嫌われる運命なのですね。目立ちすぎる転校生がいじめにあうのと一緒です・・・。
あ、私は嫌っていませんよ、嫌ってません、嫌ってませんって。たとえ帰化植物が固定種を駆逐しようと、植物に罪はない、罪はないよ・・・うっ。
学名の「ciliata」は、ゾウリムシ,ラッパムシ,ツリガネムシ など「繊毛虫類」の意味ももちます。
この場合は「縁毛のある」という意味。茎や葉に毛が生えていることを表しています。
これが英語名の「 Shaggy Soldier(毛深い兵士)」につながっているのですね。にしても、毛深い兵士って・・・。
和名は、大正時代に植物学者の牧野富太郎氏が、世田谷の経堂(きょうどう)の掃きだめでこの花を見つけ、「掃きだめ菊」と名づけたのだそうです。
「掃き溜め」は、江戸時代からある、町内に設けられたゴミを吐き溜めて置くところをさします。そう、「掃き溜めに鶴」はここから来ています。「その場所にふさわしくない、優れたものが現れる」の意味ですね。
牧野先生、もうちょっと可愛い名前つけてあげればよかったのに、と一瞬思ったのですが、「掃き溜めに鶴」を思えば、愛のあるネーミングと言えるでしょうか。
実際、チッ素分の多いごみ捨て場や、空き地、道ばたなどによく生えるため、それを観察した牧野先生、さすがです。
葉は、きれいに洗ってさっと茹でれば食用としても利用できます。
沸騰したお湯で2分〜3分ほど茹でて、鮮やかな緑色になったら醤油やかつおぶしをかけると美味とか。
工房の近くに群生を見つけたので、煮出してみました。湯気にはキク科特有の辛口の芳香が漂います。
色もキク科特有の冴えた色合い。
アルミで鶸色(ひわいろ)、銅で鶯色(うぐいすいろ)、鉄の黒緑が特に美色。どれも強い!
花言葉は「不屈の精神」「豊富」「努力」。
11/21の誕生花。
◎参考サイト / 文献
・http://ja.wikipedia.org/wiki/ハキダメギク
・https://botanica-media.jp/
・https://www.hana300.com
・https://hananoiwaya.jp/
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 3」 北隆館
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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