ムラサキダイコンソウ・優しいちょいワルは若菜色
【学名】 Orychophragmus violaceus
【英名】 Chinese Violet Cress
【別名】 ショカツサイ(諸葛菜)、オオアラセイトウ(大紫羅欄花)、ムラサキハナナ(紫花菜)、シキンソウ(紫金草)
【科】 アブラナ科
中国原産。
大変勢力の強い帰化植物、という認識が広がっていますが、 江戸時代にはすでに、油をとるために輸入されていたらしいです。
でも、和漢三才図会にはアラセイトウ(紫羅欄花)の記述は見つかりますが、オオアラセイトウはないですね。
今のように日本全国に広がりを見せたのは、昭和初期から戦後にかけて星薬学専門学校(星薬科大学の前身)の初代校長 山口誠太郎が、紫金草(シキンソウ)と称して種子を広める活動をしたことによります。食糧難の当時の様子がうかがえます。
別名のショカツサイ(諸葛菜)は、諸葛孔明が、戦さ場で陣を張ったときに、真っ先にこの花の種を播いて、兵士の食糧となるよう栽培したことから。
ムラサキハナナは、「紫色の菜の花」の意味。
これらの別名から、食用として古くから用いられていたことがわかります。
アブラナ科らしい十字形の紫の花を春から初夏にかけて咲くので、その花の時期に若芽、花などを採取。菜の花と同様のレシピで置き換えができます。和え物、炒め物、生でサラダにも。
鎌倉でも、春になると、崖一面が紫色になっているのをよく見かけます。繁殖力が強く、他の固定種を駆逐する勢いが懸念されるので、なんとなく、心の中では「ワルモノ」扱いにしていましたが・・・江戸時代に来てたなら、ま、いっか。(なんという身勝手な偏見じゃ!)
見つけたらせいぜい食べることにいたしましょう。美味しいから。
ワルモノにしては(おい!)、どの媒染でも透明感のある優しい色合い。
アルミで女郎花(おみなえし)色、銅で若菜色、鉄で枯草(かれくさ)色。
花言葉は「変わらぬ愛」「仁愛」「熱狂」「癒し」「優秀」「あふれる智恵」など。
2月15日、2月18日、3月14日、4月5日、12月12日の誕生花。
◎参考サイト /文献
・http://www.e-yakusou.com/
・http://ja.wikipedia.org/wiki/オオアラセイトウ
・https://garden-vision.net/flower
・https://www.hana300.com/
・https://digitalcamera-travel.info/birth-flower/
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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