ヒメムカシヨモギ・文明開化のウグイス色
【学名】 Erigeron canadensis, Conyza canadensis
【英名】 Canadian horseweed, Canadian fleabane
【別名】 ゴイッシングサ(御一新草)、メイジソウ(明治草)、
テツドウグサ(鉄道草)、ヨガワリグサ(世代わり草)
【科】 キク科
北アメリカ原産。
在来種のムカシヨモギ(別名ヤナギヨモギ)ににて小ぶりの花を咲かせることが和名の由来。
明治時代初期に渡来しました。
そのためゴイッシングサ(御一新草)、メイジソウ(明治草)の別名があります。テツドウグサ(鉄道草)は、日本に渡来して間もなく日本初の鉄道が開業した事から、当時よく線路ぎわに植えられたことに由来するそうです。
新しい時代の象徴だったんですね。
学名のErigeron(エリゲロン)は、ギリシャ語のeri(早い)と geron(老人)」が語源。
秋に発芽し、越冬して翌春にかけて生育する一年生冬雑草(越年草)であることから、「春前に生育し始め、その花が白い軟毛で覆われていること」を言い表しているらしいです。
「若干毒性あり」の記述も見当たり、人によっては触れてかぶれを起こすこともあるそうなので、一応注意が必要でしょうか。よくブタクサと混同されますが(私も庭に生えてきたときはブタクサだーっとビビりました・・・)、花粉症の原因ではありません。
が、容易に群生を作りやすく、在来種には脅威だということで「外来生物法で要注意外来生物」に指定されています。
うーん、明治の最初に来たものは外来種・・・奈良時代から江戸時代までも、外から来たものはたくさんあるのに・・・。ヒメちゃん、君はもう日本のお花だよ。
欧米では昔から薬草として認識されており、北アメリカやカナダでは、原住民が伝統的にスウェットロッジにこの草を利用したり、鼻風邪の治療に嗅ぎタバコとして用いたり、家の害虫駆除に燃やして煙を利用したりしてきた歴史があるそうです。
タンニン質が多いようで、「煎じたものが痔の出血、胃腸障害、赤痢や下痢に効能あり」という記述も見当たります。
そのタンニンの効用か、染めてみたらどの色も堅牢。アルミで鶸色(ひわいろ)、鉄で黒緑。銅の鶯色(うぐいすいろ)がとくに美色です。
花言葉は「人懐っこい」「湧き上がる愛」。
◎参考サイト/ 文献
・https://www.hana300.com/
・http://ja.wikipedia.org/wiki/ヒメムカシヨモギ
・https://pfaf.org/
・https://www1.ous.ac.jp/
・https://hananoiwaya.jp/
・https://www.nies.go.jp/
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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