カタヒバ ・木に憧れて、梅幸茶
【学名】 Selaginella involvens Spring, Selaginella pachystachys Koidz.
【別名】 メヒバ、 クラマゴケ(誤用?)
【生薬名】 エンシュウケンパク(兗州巻柏)
【科】 イワヒバ科
宮城県以南の本州・四国・九州・沖縄、朝鮮南部・中国・台湾・熱帯アジアに分布する常緑のシダ植物であり、岩などの上をはい回る着生植物。地下には細い地下茎があり、これから地上茎を出して繁茂します。なんと樹上に出ることもあるとか。
和名の由来は、イワヒバに似ているが葉が片方にしか伸びないことによるといいます。
「ヒバ」とはヒノキの葉のこと。
全草に、強壮、活血の作用があり、生薬として整理痛などの婦人病の痛み、黄疸、水腫、火傷、脱肛、腹痛、下血、淋結に用いることもあります。
最近はテラリウムや苔玉などに仕立てて楽しむ人も増えて、苗が売られたりしていますね。
鎌倉ではよく群生を見ますが、実は絶滅危惧II類に指定されています。
湿気の多い鎌倉では生きやすいけれど、 全国的にみれば土地の乾燥が進んでいるということでしょうか。
数年前から、自宅の庭の水はけのよくない一角に旺盛に生えるようになりました。葉だけを見るにスギやヒノキなどの「木」を彷彿とさせるので、はじめは、すぐそばにあるチャボヒバの葉が抜けて溜まったのかと思いました。・・・あれ、でも地面から生えてる。
葉っぱが樹木然としたナリなのに、じつはシダ植物、という正体がちょっぴりうら悲しい・・・。
あまりに庭に増えたので、煮出してみました。むしっている時も、煮出している時も杉のような香りが漂いました。どの媒染でも色の変化はあまりなく、アルミで木蘭色(もくらんじき)、銅で梅幸茶(ばいこうちゃ)、鉄で璃寛茶(りかんちゃ) 。地味ですが、どれも堅牢な様子です。
資料が乏しく、手持ちのコンパクト版牧野植物図鑑にも記載が見当たらないほどでした。
花言葉も見つかりませんでしたが、私なら「あなたのようになりたくて」とつけたいところです。(小笑)
◎参考サイト
・http://ja.wikipedia.org/wiki/カタヒバ
・https://matsue-hana.com/
・https://gkzplant.sakura.ne.jp/
・http://www.amami.or.jp/
・https://www.pref.ishikawa.lg.jp
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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