ゼラニウム・黒紫はアラーの贈り物
【学名】 Pelargonium, Pelargonium hotorum Bailey,
Pelargonium zonale
【和名】 テンジクアオイ
【別名】 シロネグサ、
【生薬名】 シキザキ(四季咲き)ベゴニア
【科】 フウロソウ科
南アフリカ原産。
幕末に渡来したそうで、以来次第に園芸種として人気が上がり、明治末期、葉の紋が美しかったある品種がに850円(当時の郵便はがきが一銭五厘)の高値がついたという逸話もあります。
学名のPelargonium(ペラルゴニューム)は、ギリシャ語のpelargos(コウノトリ)が語源。実の形が、コウノトリのくちばしに似ていることから。・・・というのだけれど、なかなか実を目にする機会に恵まれません。
アフリカ原産のペラルゴニウムを改良して作られた園芸品種の総称。
たくさんの種類があり、花を楽しむだけでなく、独特の香りのある葉を持つ品種はハーブゼラニウムとしても知られています。
それらはニオイゼラニウムともよばれ、葉や茎に独特の芳香があるのが特徴。その代表格がローズゼラニウムであり、その名の通り、葉に触れるとバラを思わせる爽やかな香りがします。
その他にも、アップル、アーモンド、オレンジ、ペパーミント、シナモン、ココナッツなど様々な香りの品種があります。
アロマテラピーでは、ハーブゼラニウムの精油は皮脂のバランスを整える作用や不安・ストレスを緩和させる作用を持つとされています。ローズゼラニウムのアロマオイルは、香水やせっけんに使われることもあります。
またゼラニウムの香りは、エストロゲンに作用するともいわれています。エストロゲンは、ホルモンバランスの乱れを整えてくれる作用があり、生理不順といった女性ならではの症状を和らげる効能があります。
植物には大抵、神話などにそのエピソードが見つかるものですが、ゼラニウムは18世紀以降に南アフリカからヨーロッパに入ってきたため、ギリシャ神話などには登場しません。
「なんか、ないのかな?」と調査してみましたところ、花の誕生伝説にイスラム教の預言者ムハンマドの逸話が見つかりました。
ある日ムハンマドが洗濯したシャツをアオイ科のマロウという植物にかけて干していた。
ところがシャツが乾いた時、その植物は鮮やかな赤い花をつけるゼラニウムに変わっていた。
マホメットの徳を称えるために、アラーの神がこの世に創造した植物であるといわれている。
ふむ。よほど目を引く花だったのでしょうね。サウジアラビアにはこのころ(ムハンマド570年頃 〜632年) 入ってきたということでしょうか。
ご近所に、お玄関先の地植えのゼラニウムが美しいお宅がありまして、剪定した葉と茎をいただくことができました。
煮出してみますと、上記には独特の金属臭(わかりますかしら?)が漂います。
染液はうっすら茶味の黄色になったぐらいだったのですが、媒染後がすごかった!
アルミで蒸栗色(むしぐりいろ)、銅で梅幸茶色(ばいこうちゃいろ)は想像の範囲でしたが、鉄媒染の、紫に輝く深い黒には目を見張りました!
特に絹が美しいです。ムハンマドの徳のなせる技でしょうか。
ゼラニウム全般の花言葉は花言葉は「尊敬」や「信頼」、「真の友情」、「育ちの良さ」「君ありて幸福」。ピンクの花は「決意」。「決心」
4/3、4/24、5/26、6/28、7/27、8/11、10/12の誕生花(多いこと!)
◎参考サイト / 文献
・http://www.hana300.com
・https://www.atariya.net/
・https://provenwinners.jp/magazine/geranium_howto/
・https://lovegreen.net/
・https://note.com/riko0321/n/n3e492c1b023b
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 3」 北隆館
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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