アメリカフロウ・寂しがり屋の必殺色
【学名】 Geranium carolinianum
【英名】 Carolina cranesbill
【別名】 鷺嘴草(さぎくちそう)
【 科 】 フロウソウ科
北アメリカ原産の帰化植物。日本国内では、1932年に京都で発見されたとされますが、昭和初期に渡来したという記述も。
現在は全国的に広がり、北海道をのぞく全国の道ばたなどでよく見かけます。
在来種のゲンノショウコの仲間です。
学名のcarolinianumは北米カロライナ地方の意味で、北米に古くからあることを表しています。
Geranium(ゲラニウム)は、ギリシャ語の「geranos(鶴)」が語源。実の形を鶴のくちばしに見立てたもの。
別名の鷺嘴草(さぎくちそう)も実の形から。
たしかに、このすっと伸びた身の風情がツルやサギを連想させますね。
(写真出典)
この長いくちばし型の実が、縦に勢いよく裂けることで種を飛ばすのだそうです。なかなかユニーク!その瞬間をぜひ見てみたいものです!
全草、特に根はタンニンが豊富で、消毒、非常に収斂性、強壮剤として用いられてきました。そのほか下痢(特に小児および高齢者)、赤痢、コレラ、胃腸炎、内出血、過度の月経などの治療にも。
沖縄では古くから民間療法に用いられており、全草を乾燥させたものをお茶として服用すると、かぜ, リウマチ, 慢性腸炎, 下痢, 月経不順, 経行発熱,腹脹腰痛、不妊症に効果があるとされているそうです。
柔らかい葉は、天ぷらやおひたしで食べることができます。
また、野菜の病気である青枯病に対して、有効な抗菌作用が確認されたという研究結果もあります。
欧米では全草をアルコール抽出したチンキが抗炎症剤として用いられ、とくに肝炎に有効であるという認識があるようです。
花言葉は、「誰か私に気づいて」。
帰化植物は、在来種に比べて押しの強いケレン味たっぷりのものが多い印象ですが、おそらくはゲンノショウコと間違われて認識され、気づいてもらえないんですねぇ・・・薬効も高いのに。ちょっと切ないです。
しかーし、色は冴え冴えとした押し出しの良いものばかり!
アルミで芥子色(からしいろ)、銅で鶯色(うぐいすいろ)、鉄で檳榔子染(びんろうじぞめ)。
どれも堅牢で美しい! アメリカフロウ、君のことは覚えたからね!
◎参考サイト
・http://www.hana300.com/
・https://www.wakuwaku-land.jp/
・http://ja.wikipedia.org/wiki/アメリカフロウ
・https://www.naro.go.jp/
・https://en.wikipedia.org/wiki/Geranium_carolinianum
・https://jtml.jp/
・https://jppa.or.jp/
・https://greensnap.jp/
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