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2024/10/15

ヤブソテツ・陰キャの藍海松茶(あいみるちゃ)

Yabusotetsu01 Yabusotetsu02

【学名】  Cyrtomium fortunei var. fortunei, Cyrtomium fortunei J.Sm.
【英名】  house holly-fern, Japanese holly fern
【別名】  オニシダ(=オニヤブソテツ)
【生薬名】 全縁貫衆(ゼンエンカンジュウ)
【 科 】   オシダ科 


中国原産の常緑シダ植物。
ヤマヤブソテツ、ミヤコヤブソテツ、オニヤブソテツなどを総称してこう呼ぶほか、「ヤブソテツ」という特定の種を指す場合もあるようです。

本州~沖縄,および韓国,中国,台湾,インドシナ半島に分布しますが,園芸を介して広まって今では世界各地で逸出しています。

学名の「Cyrtomium」はギリシャ語のcyrtomaに由来。「曲がる」の意味で、葉が弓なりに曲がることから。
和名はそのまま「ソテツに似たシダ植物」という意味。

根茎および葉柄の残基を生薬として扱うことがあるようです。解毒,殺虫作用があり流行性感冒,鉤虫症,回虫症などに用いるという記述が見当たりましたが、詳しくは不明。

ヨーロッパでは観葉植物としての人気が高いそうです。
イギリスのサイトに「根茎には鎮痛、駆​​虫、抗菌、抗凝固、抗ウイルス、浄化、解熱、止血作用がある。煎じ薬は鉤虫、条虫、回虫症、フィラリア症、急性感染性肝炎およびさまざまな出血性疾患の治療に使用される。また、インフルエンザや麻疹の予防としても使用される。」という記述も見つかります。

工房の古民家の玄関脇に、妙に「陰(いん)」な一角がありまして、笹がわっさりと生える陰に音もなく、静々と繁茂しているのがヤブソテツ。
春先にはワラビやゼンマイのようにくるくるした若葉がでで、ちょっとかわいいかなぁ・・・と思ったけど、よく見ると、もっさい毛が生えているし、なんか全然食べられる感じぢゃないし・・・やっぱあんまり、かわいくない。

じゃ、染めてみるか、と「陰」があまり広がるのもなんなので、剪定したときに煮出してみました。

予想通りの「陰」な色合い。
アルミで丁字染色(ちょうじぞめいろ)、銅で枯茶(からちゃ)、鉄で藍海松茶(あいみるちゃ)

染めていて、ウキウキする感じはありませんでしたが、織りに使う糸では、こんな色合いが重宝することが多いです。

陰キャには陰キャの居場所あり。

花言葉は、「勇気」「健常」(オニヤブソテツ)。


◎参考サイト/ 文献

https://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/
https://pfaf.org/
http://ja.wikipedia.org/wiki/ヤブソテツ
https://matsue-hana.com/
https://terra-rium.com/

・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房

 

 (C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房  禁転載

 

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