カイヅカイブキ・昇り竜は萱草色(かんぞういろ)
【学名】 Juniperus chinensis 'Kaizuka'
【英名】 Chinese juniper, Dragon juniper
【別名】 カマクライブキ, カイヅカ、カイヅカビャクシン, 龍柏
【 科】 ヒノキ科 ビャクシン属
ヒノキ科ビャクシン属イブキ(ビャクシン)の栽培品種の1つ。
日本原産。
中国、台湾、日本(本州から沖縄)、朝鮮半島などで公園、庭園、庭、生垣、道路の緑樹帯(街路樹)などに植栽されています。
洋風の雰囲気や枝葉が密生し目隠し効果が高いことから、昭和期に庭木や生垣として盛んに用いられました。
大気汚染、乾燥、塩害、雪害にも強い!
カイヅカイブキは、イブキ(ビャクシン)からつくられたとする説と、ほふく性のミヤマビャクシンからつくられたとする説があるそうです。
和名の由来は、大阪の「貝塚」で作られた、あるいは樹形が巻貝のようになることから、など諸説。
イブキは床柱として賞用されることで知られ、鉛筆や建具・家具などにも使われます。
工房のとなりにある荏柄天神のニノ鳥居には、みごとなイブキが植えられています。
ここをくぐるだけで、悪いものを全て落とせる気がします。
風水ではカイヅカイブキを植える方角は東南が吉なのだとか。
うーん、荏柄天神さんからみると、このイブキ真南ですね。あ、でもうちの工房から見ると、ちょうど東南!
やっぱり守られているんだわ。
英名にあるように、龍を思わせる、ねじれた枝葉が、カイヅカイブキが縁起がよい木とされている理由です。
梨園の近くには植えてはいけません。これらビャクシン属の植物につくサビ病と、梨の木につく赤星(あかほし)病の菌が同一なため、お互いに繁殖しやすくなってしまうためだそうです。
梨に限らず、ボケ、カリン、カイドウなどバラ科の植物の近くには同じ理由でやはり植えない方がよいそうです。
イギリスのサイトに「枝葉は寄生虫性皮膚疾患やリウマチの治療に、果実はけいれん・過度の発汗・肝炎の治療に、根は火傷の治療に用いられる。樹脂はマツ属の樹脂と混合され、腫瘍の溶解剤として用いられる。」などの記述が見つかります。
和漢三才図会の檜柏(いぶき)の項には「材とするには良くないが、相州の鎌倉の産は葉が最も美しい」という記述が見当たります。
お向かいのおうちにあるカイヅカイブキをちょうど植木屋さんが選定していたので、少し分けていただきました。
煮出すと、さすがヒノキ科、森林浴系の芳香が広がります。
液はきれいな赤。
アルミで透明感のある萱草色(かんぞういろ)、銅で桑茶(くわちゃ)、鉄でほっこりした黄枯茶(きがらちゃ)。
大阪府貝塚市のシンボル。
花言葉は「援助」。
◎参考サイト / 文献
・http://ja.wikipedia.org/wiki/カイヅカイブキ
・https://niwa-iro.jimdofree.com/樹木の縁起
・https://suzu-hikone.com/blog/
・https://www.hana300.com/
・https://pfaf.org/
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版」 北隆館
・「よくわかる樹木大図鑑」平野隆久/著 永岡書店
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