レモングラス・爽やかすぎる草色
【学名】 Cymbopogon citratus【和名】 レモンガヤ、レモンソウ
【生薬名】 コウボウ(香茅)、ネイモウボウ(檸檬茅)
【 科 】 イネ科
インド南部~スリランカの原産。
日本には大正時代に渡来しました。
現在は日本の沖縄など世界の熱帯地方で広く栽培されています。
学名のCymbopogon は、ラテン語のcymbe(舟)と pogon(ひげ)が語源。
Citrus(シトラス)は、レモンの木に対する古い呼び名で、これが属名になったようです。
葉はレモンに似て、レモンより強い香りがあり、アジア料理、カリブ料理に広く使われています。タイのトムヤムクンは有名ですね。
脳血栓、脳梗塞、心筋梗塞の予防には、刻んで陰干しにした葉を、お茶のように熱湯をそそいで飲用すると効果あり。
生の葉は、そのまま熱湯で健康飲料として飲用すると、消化不良や胃と腸の筋肉を弛緩して痙攣のやわらげます。
精油は、消臭効果が高く、ペット、タバコなどの室内の臭いを消すのに重宝。
また、鎮痛・鎮静・抗炎症・殺菌効果も期待できます。
柑橘系の精油は、肌に塗って日に当たると、シミの原因になったりするのですが、こちらは香りは柑橘系ですが、イネ科なので、そのような光毒性はないそうです。便利!
ヨーロッパには16〜17世紀の大航海時代に熱帯アジア諸地域産の香料(スパイス)が運ばれた、いわゆる「スパイスロード」にのって伝わったといわれ、イギリスのサイトには「スパイスルートで運ばれたハーブの1つ。苦味と芳香があり、冷却効果のあるハーブで、発汗を促進し、けいれんを和らげる。精油は、効果的な抗真菌剤および抗菌剤。また顕著な鎮静作用がある。内服薬としては主に消化器系の問題の治療にお茶として使用され、胃腸の筋肉をリラックスさせ、けいれん痛や鼓腸を和らげる。特に子供に有効で、子供の軽い発熱性疾患の治療にも使用される。外用としては、精油の形で、水虫、白癬、シラミ、疥癬など、さまざまな症状に非常に効果的。若い茎の真ん中の柔らかい部分は野菜として食用にできる。」の記述も見当たります。
なんと、コウボウ(香茅)の名で古くから染料としても知られていたそうです!
というわけで、染めてみました。
今回のレモングラスは、逗子産。逗子にお住いの方のお庭に勢いよく繁茂しているものをおすそ分けしていただきました。関東で繁茂とは、前述のシークワーサーといい、やっぱり温暖化の影響でしょうか。
煮出すと、工房中が柑橘系の満たされ、自分が少女漫画の主人公になったような爽やかな気持ちになりました。
嗚呼、ずっと浸っていたい。
液は予想通り、透明感のある黄色。アルミで金糸雀色(かなりあいろ)から丁子色(ちょうじいろ)、鉄で老竹色(おいたけいろ)、銅で出たが草色(さいろ)が特筆すべき美色。
花言葉は「爽快」「爽やかな性格」「凛々しさ」「再生」「追求」。
9/22の誕生花。 秋の季語。
◎参考サイト
・https://www.t-tree.net/
・https://www.hana300.com/
・https://ja.wikipedia.org/wiki/レモングラス
・https://pfaf.org
・https://hanamika.com/
・https://shop.sweetsvillage.com
・https://www.mukogawa-u.info/
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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