絹糸守り
葉山にある古い染織工房が閉じるということで、そのお掃除を昨年初夏に引き受けて、約8ヶ月あまりかけて道具や材料の整理をしました。
もともと着尺を織って、教室もやって生計を立てていらした大学の大先輩。ご高齢になられ、施設に入所されるため、ご自宅と離れの工房を処分される運びとなったのです。
機を6台解体し、細々した織りの道具も手入れ。
そしてご自身と生徒さんが残していった「糸」!
私の寿命が尽きるまでに果たして使い切れるであろうか・・・。
大きなカセは糊を抜いて染め直し。
これはまあいい。
問題は、何かを作った後に「もったいないから」と取っておいたであろう、ダンボールの切れ端に無造作に巻き取られた半端糸。
これが行李2杯分ぐらいある。
すでに虫にやられてしまっているものはハサミを入れてぬいぐるみなどの詰め物に。うーさん何匹分だ?
でも、色とりどりに染め上げられた絹糸は、一種独特の「霊」や「神」が宿っていて、そのチカラはなんとか次に繋げたい。
で、生徒さんがちっちゃいカセあげ機を貸してくれたので、それで10cmほどの可愛いカセにしてみました。
絹糸は、大嘗祭などの神事では、幸せと繁栄をもたらすものとしてお供えするぐらいのもの。
小さなカゴや器に入れて、玄関先などに置いておくんなさい。
絹に宿った神さまたちが、きっと幸運を呼んでくれると思います。