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2025/08/28

ノラニンジン・可憐な酒豪のウグイス茶

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【学名】  Daucus carota
【英名】  Wild Carrot, Queen Anne's Lace, Bird’s Nest, Bishop’s Lace 
【別名】   
【生薬名】 胡羅葡(こらふく=ニンジン)
【科】     セリ科 

 
西アジア、地中海沿岸地方原産。

学名の「Daucus」は、ギリシャ語のdaiein(=温める)を語源とし、薬用とすると体を温めるということから。
「carota 」はニンジンのラテン古名で、語源は「角」を意味しました。

英語名「アン女王のレース」は、純白の花が繊細なレース編みを思わせ、レース編みが得意だったイギリスのアン女王(1665年 - 1714年)に因んで名付けられたんだとか。
このアン女王、好きが嵩じてレース編みのコンテストを主催したこともあるんだそうです。

この可憐なノラニンジンの白いお花。
全てではないのですが、時々、その中に赤紫色の小花が出現することがあるそうです。これはレース編みに興じるあまり、女王が誤って指に針を刺してしまい、その血の雫がレースに落ちて赤紫に染まったから、というかわいい伝承も見当たります。

20250828-152846 写真出典

これって、オトギリソウのエピソードにちょっと似てますね。

田畑、空き地、道端などで自生し、繁殖力の強さが特徴。

野生化し、あちこちで見ることができることから「野良」という名前になり、雑草として扱われますが、花、葉、若い茎は食用となります。ピレネー在住の友人は「葉っぱや茎はクセがなくて、サラダでよく食べます。」と言ってました。

根は白く「ちょっと太い根っこ」ぐらいのシロモノで、食用には適さないようですが、いちおう食用のニンジンの原種とされているようです。
見た目はチョウセンニンジン然としているんですけどね・・・。
Noraninjin04 

和漢三才図会には「苗・葉・花・実は胡羅葡(ニンジン)と同じ。ただし根は細小で味は甘い。」とありますが、採取した白い根は特に甘味はありませんでした。

ノラニンジンは古代ローマ時代にはすでに食材として、また民間薬として知られ、ヨーロッパやアジアを中心に多くの文献にも登場しています。

野菜の中でも特に栄養価が高いとされるノラニンジンには、フラボノイドをはじめ、多様なビタミンやミネラルを豊富に含んでいるほか、強力な抗炎症作用が確認されています。

ヨーロッパでは馴染みの食用の野草のようで、柔らかい葉はサラダ、種子はシチューなどの香料として用いられるそうです。

乾燥させた根は焙煎して粉末にし、コーヒーの代用として用いられます。ああ、たんぽぽコーヒーの要領ですね。

芳香性のハーブとして知られ、利尿作用、消化管の働きを鎮め、肝臓を助け、尿の流れを促し、腎臓による老廃物の排出を促進、また子宮を刺激する作用があると言われています。

種子は伝統的に「モーニングアフター」避妊薬として用いられてきた歴史もあるらしいです。
「堕胎作用を有する可能性があるため、妊婦は使用すべきではない」という記述もみつかります。

近所の空き地に突如現れ、勇んで煮出してみました。
セリ科特有のすっきりした強い芳香が漂い、染液は渋みのある濃い黄色に。

アルミで雑味のない美しい黄檗色(きはだいろ)緑黄色(りょくおうしょく)、鉄で海松色(みるいろ)麹塵色(きくじんいろ)
そして何と言ってもインパンク抜群だったのが銅媒染の鶯茶(うぐいちゃ) 。大変推しの強い色に上がりました。

繊細なレース・・・と見せかけて、スペイン継承戦争を戦い抜き、「ブランデー・ナン」の異名をとるほどのブランデー好きの酒豪だったアン女王の芯の強さが色に出たようです。


花言葉は「幼い夢」「つつましい幸福」「持続する努力」「忠誠心」


◎参考サイト/ 文献

http://ja.wikipedia.org/wiki/ノラニンジン
https://chibanian.info/
https://greensnap.jp/
https://gkzplant.sakura.ne.jp/
https://pfaf.org/

・「和漢薬」赤松 金芳 / 著医歯薬出版株式会社
・「和漢三才図絵」第99巻 寺島良安 / 著 



(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房  禁転載

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