ベニバナボロギク ・アフリカ産のわさび色
【学名】 Crassocephalum crepidioides,
Crassocephalum rubens auct. non
【英名】 Redflower ragleaf, Okinawa Spinach, Fireweed
【別名】 ヤマシュンギク、ショウワグサ(昭和草)、ナンヨウシュンギク
【別名】 カトウコウ(仮茼蒿)、マンテンヒ(満天飛)
【科】 キク科
原産地はアフリカで、南洋方面に帰化している一年草。
日本では第二次大戦後に帰化(1950年に福岡で発見されたのが最初とされています。)
現在は山間部、特に森林が伐採された際などに一斉に出現し、パイオニア植物として姿を見せています。
このように森林域に侵入する帰化植物は珍しいのだそうです。
ちなみにこの「パイオニア植物(先駆植物)」とは、裸地などの厳しい環境に最初に侵入し、定着する植物のことをいいます。地衣類やコケ類、ススキ、イタドリなどが代表的で、栄養が少なく乾燥に強い性質を持ち、その後に続く植物の定着を助け、土壌を形成する役割を果たします。
学名のCrassocephalumはギリシャ語のcrassus(太い)とcephalum(頭花)から。
初夏から秋にかけて地上部分を全草を乾燥させたものを生薬で「仮茼蒿」「野茼蒿」といいます。
煎じて服用すると、利尿、感冒による熱、乳腺炎、腸炎、消化不良に効果。
また、春の若芽、若葉は食用となります。熱湯で茹でてさらして食べるとシュンギクのような香りと味がすることが別名の由来です。
他に、辛子マヨネーズや胡麻で和えもの、天ぷらなど。
イギリスのサイトによりますと、アフリカでは商業的に栽培されている野菜だそうです。
柔らかくジューシーな葉と茎は粘液質で、特に西アフリカと中央アフリカではスープやシチューの具として使われるそうです。。特にナイジェリア南西部で人気があり、葉を軽く湯通しして余分な水分を切り、ピーマン、タマネギ、トマト、メロン、時には魚や肉と一緒に調理してスープやシチューを作るんだとか。シエラレオネでも葉は人気があり、落花生ペーストを使ったソースにされるそうです。オーストラリアでは、サラダ菜として調理したり生でも食べられたりしているそうですが。
一方、東アジアでも古くから野菜として食されている、という記述も見つかります。
パイオニア植物・・・のはずなんだけど、今回工房の庭で見つけたベニボロちゃんは、先住の野草たちにまみれて遠慮がちに咲いていましたね。
ずっとずっと地中にタネが眠っていて、この暑さで庭の野草たちのバランスが崩れてひょっこり出てきたのかもしれません。
一株だけすくっと生えていたものを採取して煮出してみました。
キク科特有の甘みのないキリッとした芳香。染液は透明感のある黄色となり、アルミで木蘭色(もくらんじき)や女郎花色(おみなえしいろ)、
銅で梅幸茶(ばいこうちゃ)や柳茶(やなぎちゃ)、そして鉄媒染の山葵色(わさびいろ)や老竹色(おいたけいろ)が特筆すべき美色。
花言葉は「純粋な心」「大切なのは、外見より中身」
・・・外見もイケてますよ。

◎参考サイト / 文献
・http://ja.wikipedia.org/wiki/ベニバナボロギク
・https://www1.ous.ac.jp/
・https://gkzplant.sakura.ne.jp/
・https://hananoiwaya.jp/
・http://www.e-yakusou.com/
・https://matsue-hana.com/
・https://www.nies.go.jp/
・https://www.amami.or.jp/
・https://pfaf.org/
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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