ソメイヨシノ・そわそわと樺色
【学名】 Prunus × yedoensis Matsumura
【英名】 Japanese cherry
【生薬名】 桜皮(おうひ・樹皮)
【科】 バラ科
ちょっと季節外れですが、なんとアップしていなかったことに気づきましたので、書きます!
日本の桜はも伊勢の朝熊神社の桜が発祥とされています。
時は江戸時代末期。その頃の江戸は一代園芸ブームでした。
その背景があって、ソメイヨシノ(染井吉野)は、オオシマザクラ(大島桜・P. lannesiana var. speciosa)とエドヒガンザクラ(江戸彼岸桜・
P. pendula Maxim.f. ascendens Ohwi)の交雑種で、染井村(東京都豊島区駒込付近)の植木職人がつくりだした新品種。いわば、時代に後押しされたプランド品でした。これが大当たり。瞬く間に全国に広がっていったのです。
野菜で言えば「F1」、つまり、次の世代にその特徴を受け継がせることができない(、種子で増えることがない)ため、接ぎ木などで増やすしかありません。いわば全国にあるソメイヨシノは”クローン”。そのため病気や害虫に弱いという弱点があります。
最初の頃は吉野桜と呼ばれていましたが、吉野山の山桜との混同をさけるために藤野寄命博士が「染井吉野」と命名したそうです。
気象庁が各地の桜の開花基準にしている品種でもあります。東京周辺は靖國神社の桜が基準だそうです。
明治時代に、友好のシンボルとして東京からワシントンに贈られ、今でも毎年桜祭りが開催されています。その返礼として、アメリカの象徴の花である花水木(はなみずき)が日本に渡来しています。
工房の近くの頼朝の墓付近には、大蔵頼朝商店会の有志が守っているソメイヨシノの並木があります。
3月の末には毎年桜のトンネルができ、そこだけ光が余計に当たっているような華やかさとなります。隠れた鎌倉のサクラ名所です。
開花直前の桜の樹皮を煮出して桜色を染める話が志村ふくみさんの著書「一色一生」に記されていますが、工房では剪定された枝を折々染めています。桜色が出るのは山桜や八重桜で、ソメイヨシノは黄色味が強く、オレンジ色、樺色などになります。
自生する山桜などの樹皮は生薬としても用いられます。煎じた液を服用すれば咳止めに、おできや湿疹には直接塗るとよいそうです。入浴剤として用いれば、あせもなどに効果。
また、樹皮は伝統工芸品にも使われますが、最近その乱獲が問題になっています。
煮出すと、「桜餅」の香りが漂うんですよねー。こまった。
赤味を強くするには染液を一晩寝かせるとよいです。
「世の中にたえて桜のなかりせば、春の心はのどけからまし」
と在原業平は詠みましたが、咲くまでそわそわ、咲いたら散るのが心配でそわそわ・・・まこと日本人の心を乱す花であります。
花言葉は、「優れた美人」
4/1の誕生花。
◎参考文献 / サイト
・http://www.e-yakusou.com/
・http://ja.wikipedia.org/wiki/エドヒガン
・http://ja.wikipedia.org/wiki/ソメイヨシノ
・http://www.hana300.com/
・「和漢三才図会」 第87巻
・「草木染め 染料植物図鑑」 山崎青樹/ 著 美術出版社
・「よくわかる樹木大図鑑」平野隆久/著 永岡書店
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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