フクギ ・邪気払いの輝く黄色

【学名】 Garcinia subelliptica Merril
【別名】 フクン(八重山)、サバギ、サバンギ 、クヮジバギ
【英語名】 Happiness Tree, Common garcinia
【 科 】 フクギ 科 (旧:オトギリソウ科)
フィリピン、台湾、八重山諸島に分布。雌雄異株。
並べて植栽すると、深い緑の壁のようになり、防風林・防潮林となることが知られています。
奄美方言では「火事場木」を意味するクヮジバギといい、緑の壁のように植えておくと、隣家の火事による延焼を食い止められるとされているそうです。
サバギ、サンバギは、葉の形が草履(サンバ)に似ていることから。
マンゴスチンは同じ仲間で、こちらは実が「果物の女王」とよばれていますが、フクギの実はあまり美味しくないそうです。オオコウモリ類の餌にはなるそうですが。
私たち染織に携わる者の間では、フクギは染料として知られています。
葉、枝、幹、実、いずれもフラボン系のフクゲチン色素が多く含まれ、大変優秀な染料です。
特にアルミや錫で得られる黄色は、古くから琉球王国では高貴な色とされてきました。日光堅牢度が高いことも、日差しの強い沖縄で長く使われてきた理由の一つでしょう。
この度、沖縄の今帰仁(なきじん)村からフクギの枝葉をいただく幸運を得て、初めて染めてみました。
煮出し始めると、少しトロッとした黄色の液となりました。
黄色が染まる染料は、他にもいろいろありますが、フクギ、別格!!
あらゆる邪気・悪鬼がたちまち消滅するほどの神々しい輝きと力強さ!
これを表す色名をいろいろ探してみましたが、カナリヤ色でもないし、ひまわり色でもないし・・・。
もう「黄色」としか云えませんっ。
沖縄の人たちは、生を寿ぐとき、困難を乗り切るとき、この色の力を借りて生き抜いて来られたのですね。
(写真出典)
沖縄のニライカナイ信仰から生まれた幸せを運ぶとされるミルク(弥勒)神は、祭りでは独特の仮面とフクギで染められた黄色の衣装をつけた姿で表されます。
(写真出典)
喜界島では、腹痛に葉を煎じて服用するという民間療法が伝わりますが、薬としては一般的にあまり活用されていません。
花言葉は「澄んだ心」「幸福」。
8/2の誕生花。

◎参考サイト/ 文献
・https://www.pref.okinawa.jp/
・https://ja.wikipedia.org/wiki/フクギ
・https://kurashikosaeru.com/
・https://sakata-tsushin.com/
・https://jglobal.jst.go.jp/
・https://www.uekipedia.jp/
・「続・草木染め 染料植物図鑑」 山崎青樹/ 著 美術出版社
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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