フェルトのき・せ・つ!
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去るトラーべ・アート・フェスティバル2007 in 鎌倉の企画のひとつ、フラワーアーティストのCHAJINさんのトラノコスタジオでは、「SMALL展」が開かれました。
花サムライ、CHAJINさんの、「日独美術系参加アーティストたち、手のひらサイズの花器を提出せよ」というお題の下、作ったのがこの作品。「花音・土香」。
花音(かいん)は「はなだより」という意味のふるい日本語で、以前、海で拾ったこびんにワイヤーを使って同じ手法で花入れを作ったときのタイトルです。今回はそれにフェルトで土の香をプラスしてみました。
作品といっしょに提出したコメント。
「私たちは、習慣や思い込みによって、
一見しただけでいろいろなものに線引きをしています。
これとこれは違う、あれとあれは相容れない、
というように。
でも、ほんとうにそうでしょうか。
ふわふわの羊毛も、固い金属ワイヤーも、動物も、
植物も、日本人も、ドイツ人も、実は根っこはみんないっしょ、
最近、よくそんなことを考えます。」
・・・と、こんな思いを込めてみました。
CHAJINさん、どんなお花を活けてくださるのかしらん、とわくわくしていたら、なんと、ダスティーミラーという、毛がたくさん生えて温かそうな(笑)葉っぱを選んでくれました。ふーむ、そうきたか。参りました。
展示された作品棚には、CHAJINさんのこんなコメントが。
「初めてダスティーミラー見た時、
ムーミン谷からやって来た花かと思った。」
お題は「スモール、手のひらサイズ」で、たしかに手のひらサイズなのだが、日ごろのデカイ態度を反映してしまってか、ちっともカワイイ・サイズに見えません。
日々精進。

ここ数年、縁あっていろいろな海外のアーティストとコラボレーションする機会に恵まれています。
その経験が私に、「自分の作品はコミュニケーションの手段になりうるか」ということを考えさせてきました。
言語を越えた言語・・・暗号、記号、符号、リズム、波形、紋、シンボルなど、最近気になるモチーフです。
別に、何かをデザインで説明しようというのではなく、私の操る素材や形や色が、ある種の「言語」を形成するか、ということに興味があるわけです。
この試みは2003年にロシアのノボシビルスクで、地元のアーティスト、エレーナ・ベルトロが私に提案してくれたテーマで、私たちは4ヶ月にわたって、英語・ロシア語の壁を"よじのぼり"ながらメッセージをやり取りして、そのお互いの「言葉」を作品におきかえたり、その「言葉」から受けたインスピレーションをそれぞれの仕事で表現したり、ほんとうに全身全霊で相手を知りたい、相手に伝えたい、相手と繋がりたいと思った貴重な体験でした。
ミュージシャンの友人、マヤ・ムガ・モーランがその以前に、作曲中の曲の楽譜を見せてくれたことがあります。軽やかに鉛筆で手書きされたその美しい楽譜は私の中で沈澱していって、このロシア・プロジェクトのときに、ある作品となって出てきました。
そう、「楽譜」もまた、国境を越えた言語なんですよね。
以来、そこで得た感触が今でもわたしの中で生きていて、同じ主題で去年できた作品が、この写真です。
パーツの下ごしらえは夏の終わりからやりましたが、最終的な成形は先週の水曜日からこの日曜日までで行いました。
一つ一つ独立していて、でも全体である種のメロディラインやリズムパターン、化学反応とか、絆、といったものが伝わるといいなぁ、と思っています。
「譜・06」 羊毛、絹、麻、綿 織り / フェルト
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