オニタビラコ・姐さんはウグイス色
【学名】 Youngia japonica, Crepis japonica
【英名】 oriental false hawksbeard
【別名】 キウリナ(黄瓜菜)
【生薬名】 黄鵪菜(おうあんさい)
【 科 】 キク科
日本全土、朝鮮、中国、台湾、、アフガニスタン、インド、ブータン、東南アジア、オーストラリアに分布。
おそらく中国原産では、と考えられるそうですが。
4月も声を聞くと、野にすっくと伸びてくる小さな菊のような花。
可憐な姿に似合わず「鬼田平子」の名を冠するツワモノ。そのまま少年ジャンプに出てくるバトルもののつおーいお姐さんキャラのようではありませんか。でもタビラコ(田平子)の名の由来は、田で葉をロゼット状に平らに広げる様子を表したという、実にのどかなものなんですが。
オニタビラコより花の数か多くわっさりしている印象のものはヤブタビラコ、背が低く、地を這うようにしているのがコオニタビラコです。
コオニタビラコは「春の七草」の中の「ホトケノザ」にあたります。
厄介なのは、ホトケノザという別の野草もあること。こちらはシソ科で有毒なので注意が必要です。
和漢三才図会では、「春の七草は
・芹(セリ)
・薺(ナズナ)
・御形(ゴギョウ=ハハコグサ)
・繁縷(ハコベラ)
・仏の座(ホトケノザ)
・菘(スズナ=カブの葉)
・蘿蔔(スズシロ=ダイコンの葉)
であり、延喜11年(911年)の正月7日に、はじめて7種の若菜を供したことが記録に現れるが、この7種についてははっきりとは決まっておらず、異説もある」という記述が見当たります。
ふむ、春先に出てくる若芽ならば、他にも薬効の高いものが多いのでしょうね。
オニタビラコも、コオニタビラコ同様に薬効が高く、解熱、解毒、消腫、止痛に効果あり。
「薬物中毒による蕁麻疹、イカ、タコの中毒による蕁麻疹、湿疹、アトピー性皮膚炎、老化による皮膚の痒み等に、乾燥地上部10-15gを煎じて飲む。外用では生の葉をすりつぶし、皮膚に塗る。急性の食中毒の時は青汁を杯一杯飲む」の用法が島原地方に伝わっています。近年、科学的にもその薬効が証明されたとか。
3~5月頃の花茎の伸びる前の若芽、若葉、10~12月頃のロゼット状の冬越しの葉は、塩を入れた熱湯で茹でて、数時間水にさらして苦味を抜き、和え物、おひたし、油いためなどで楽しめます。
根ごと煮出してみると、透明感のある濃い染液となり、アルミで練色(ねりいろ)から蒸栗色(むしぐりいろ)、鉄で蕎麦切色(そばきりいろ)から蝋色(ろういろ)、特筆すべきは銅の鶯色(うぐいすいろ)。高い薬効をうかがわせる輝きです。
花言葉は「仲間と一緒」「純愛」「想い」
4/30の誕生花。
◎参考サイト / 文献
・http://www.e-yakusou.com/
・http://ja.wikipedia.org/wiki/オニタビラコ
・https://greensnap.jp/
・https://mikawanoyasou.org/
・「季節の野草・山草図鑑」高村忠彦/監修 日本文芸社
・「和漢三才図絵」105巻 寺島良安 / 著
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